前回からの黒部最奥地を歩いた記録の続き。
高天原山荘から雲ノ平に移動するのに時間はかからないのですが、台風の情報がはっきりせず早めの6時に出ることにしました。
そこそこ晴れているので、てっきり台風のピークは過ぎたのかと思いましたが、この時点ではだ東海地方に接近中。
とりあえず高天原峠までがしがし登り返します。
高天原峠から分岐を雲ノ平方面に転進。
大東新道に比べて非常に歩きやすい道でした。
薬師沢からの直登コースに比べてもなだらかだし行きやすい。
でもわざわざこっち回りはないよな(遠すぎる
雲ノ平に登り切る直前はやっぱり急登。
おまけに三段ばしご控えてました。
梯子にテンション上がる自分は嬉しいのですが……w
登り切った上とはいえ平ではなく、まだ小さなアップダウンが続きます。
でも森林はなくなったので景色が綺麗で稜線歩きのような楽しさです。
岩岩の道、ハイマツの細道。
なかなか変化に富んだ道をゆるゆると上りますが、こう長いと結構疲れますね。
最後に登り切った高台でついに見えた雲ノ平山荘。
宿泊予約争奪戦がなかなか手強い敵でした。
向こうに見えるのが黒部五郎岳です。
以前はあちら側からここを見ていたのかぁ。
10時前に雲ノ平山荘に到着。
元から時間が余るので近くの祖父岳に行こうと思っていたのですが、山荘に着いた途端に山頂方向にガスが掛かってきました。
少し見合わせていたら雨まで降ってくるし、早めに来て本当に良かった。
丁度台風が最接近した時間帯ですね。
出掛けるのは諦めていたのですが、小一時間したら天候が回復してきたので、やっぱり行ってみることにしました。
一応レイン装備も持って、アタックザックでお出かけです。
ずっと重いフル装備で歩いて来たので足取りも軽い~
三俣山荘に向かうルートを歩きますが、途中で別れて祖父岳に登ります。
遠くから見ると大したことないけど、さすが2800mを越える山なので、意外と登らされます。
山荘から一時間ほどで山頂に到着。
意外と早く着いた。
四方八方名だたる名峰ばかりで目移りする景色でした。
槍ヶ岳は少しガスが掛かっていて、特徴的な穂先が見えずに残念でしたが、鷲羽岳や水晶岳、三俣蓮華岳から双六岳までの稜線が完全に見えました。
雨で諦めようと思っていた天気でこれなら十二分です。
かつて歩いた稜線が見えるのは本当に嬉しい。
真ん中右寄りの所に高天原と山荘も見えます。
ちょっと分かりづらいですが。
上から俯瞰して初めて分かる全体図。
時間も余りまくってるので、山頂での絶景を存分に堪能して下る途中、雷鳥にも出会いました。
比較的近くで見られてラッキー。
以前の足元雷鳥よりは遠いですけどw
山荘へ戻る途中、アルプス庭園に寄り道。
こちらの方が高天原がよく見えますね。
小屋の赤い屋根もしっかり。
山荘に戻ってきてら、また天候が崩れて雨も良い勢いで降ってきました。
なんという強運。
とりあえず行程三日目も予定通りのコースを歩ききる事が出来て大満足。
四日目はお帰りの行程。
天候も回復してまずまず。
この日も午後は崩れる予報なので早めの行動です。
雲ノ平は薬師沢からのこの直登コースが特徴なのですが、今回使いたくない下りでのルートになります。
昔からいろんな山小屋での雑談で「下りは止めた方がいいよ」と言われていたのでちょっと緊張です。
で、当該区間をツルツル岩の急下りは確かに怖い。
一歩間違えれば滑落必死ですが、足の踏み場さえ間違えなければとりあえず大丈夫かな。
鍛えた岩場歩きが大分役に立ちました。
滑る感触は味わいましたが、足を取られることも無く無事降りることが出来ました。
でもほとんど気の抜けない歩きが続くので疲れました。
無事薬師沢の小屋に着いたときは、ほぼほぼ終わった感。
ここから初日に歩いた太郎平小屋まで登らないと行けないんですけどね。
薬師沢小屋前の吊り橋を渡る喜び。
そしてひと息ついたコーラが最高。
15分ほどの休憩ですぐに太郎平小屋へ、来た道を戻ることになりますが、来るときと違って微妙な登りが結構疲れます。
最後の急登を登り切って木道が見えた時は、感激ひとしおでした。
雲ノ平山荘を6時過ぎに出て11時着だから、やっぱりそれなりに疲れました。
最終五日目だけ、完全に雨になりました。
でも移動するだけの日なので、まあいいや。
そこいらへんは割り切りです。
バスの都合もあったので、相当に余裕のある歩きになりましたが、無事お昼前に下山しました。
下山口では雨も止んでずぶ濡れでバスとはならず良かった。
今回たっぷり時間をかけて奥黒部を歩いた感じですが、稜線好きな自分にとっては珍しいコース選定でしたね。
一応、祖父岳も登れたので、山登りとしての満足感も得られた五日間でした。
今年は秋に本当目的の北アルプス稜線歩きが控えているので、まだまだ行きます。
後は山小屋がコロナでストップかからないことを祈るばかり。