表銀座の最終区間

投稿者: | 2021年7月28日

北アルプスの燕岳~常念岳~蝶ヶ岳の連なりが一般的な表銀座ですが、その前後にも尾根道は続いています。
一般的な登山道で登れるのが北が唐沢岳で南が霞沢岳ですが、この区間で唯一歩いてなかったのが徳本峠~蝶ヶ岳の間。
今回オリンピックのおかげで余裕のある連休が出来たので行ってきました。

河童橋徳本峠
もう何度となく通っている上高地。
見事な快晴です。
初日は徳本峠小屋までなので、かなり余裕のある行程。
久しぶりに一般的な観光コースでのんびりしました。
明神から見る徳本峠。
高くはないけど、結構距離がありますね。

山のひだや店内
今回、いつもスルーな山のひだやにある喫茶にも寄ってきました。
初めて入ったw
いつも嘉門次小屋に行っちゃうし。
なかなか良い感じの店でした。

徳本峠へ徳本峠へ2
さて、明神から徳本峠へは10時過ぎにスタート。
あまり遅くなると雷雨予報だったので早めに行くことにしました。
今年は島々からのクラシカルルートが通行止めなので、すれ違う人もまばら。

修復路沢渡り
明神側の道も一時期崩れたそうですが、今は悪路ですが復活してます。
小屋の方には感謝ですわ。
沢が不安定なので、雨天時はちょっと危ないそうです。

徳本峠小屋寝室
初日は12時過ぎに徳本峠に到着しました。
小屋自体が雪囲いとかそのままで、ちょっと夏らしさが無いのが寂しいです。
宿泊者数も大幅に制限していて、寝るには広くていいのですが、実に寂しい。
なにより小屋ならではの会話が出来ないのがつまらん。

入口登山道
翌日も快晴、ここからが本番の尾根歩きです。
とは言っても完全に樹林帯歩きなので、見晴らしは皆無。
新緑を楽しむの回ですね。
小屋の裏手から6時半前にスタートです。

登山道2
難しい所はないし道自体も比較的緩やかに登れるので楽ですが、距離が長いのとアップダウンが思ったより多いのが難点でしょうか。
メジャーなルートに比べて道も細いこと……でもしっかり整備されてるのは小屋番様々です。
しかし、この日このルートに入ったのは自分だけ。
残りの皆さんは霞沢岳みたいです。

登山道3
なにげに樹林帯だから気にしてないけど、滑落したら見つからないな、コリャ。

見晴らし場見晴らし
ここから左に一気に下るのですが、少しだけ見晴らしがありました。
ここが槍見台かなぁ?と思ったら違いました。
そもそも槍は穂先がちょこっとしか見えてない。

槍見台景色
8時過ぎ。
山の中に唐突に現れる槍見台。
本当に台だと思っていなかったので、マジ笑いしてしまいました。
こんな山奥で構造物だと誰も思わないでしょ。
想定外の展開でした。

丁度中間なんですかね。
今まで人一人いなかったのに、ここで下ってきた人達と邂逅。
台の上に登って皆さんと山談義に花が咲きました。
屋内と違って普通にしゃべれるのが良い。

30分ほど時間を潰して皆さんは下り、自分だけ登り。
再スタート。
本当ならもっとゆっくりしたかったですが、この日も午後カミナリ予報なので行けるとこまで行きます。

登山道4
尾根道とは言っても細かいピークは巻いてたりするので、無駄なアップダウンは少なめなのが有り難いです。
しかしこのダラダラ感は、焼岳から西穂高山荘まで歩いた時に近い。
景色が無いので蝶ヶ岳からの下り道で使えば降りやすいのかも。
長塀尾根も長いしねぇ。

森林限界大滝山へ
ずっと上高地側の歩きだったのが森林限界付近で安曇野側へ。
ガスが登ってきてる~あせあせ(飛び散る汗)
まだ黒い雲は見えないから大丈夫。

大滝山南峰山頂から
11時に大滝山の南峰に登頂。
岳じゃなく山ですが、2600m越えの立派な山です。
北峰の方がわずかに高いのですが、三角点はこちら。
しかし槍穂側はハイマツで微妙に景色が見えないw
一応立ち上がれば見えますが、既に雲が……
立って休憩もないので反対側の景色をば。

山頂から2お弁当
安曇野側は見晴らしがあるはずなんですが、ガス~霧
多分八丁ダルミと鍋冠山が見えてるはずなんですが。
仕方ないので雲の流れを見ながらお弁当を頂く。
至福ぴかぴか(新しい)

池大滝山荘
山頂からは10分ほどで大滝山荘に到着。
途中にあった池は雪解け水かな?
7、8月しか営業しない夏季限定の小屋なので一度泊まってみたかったんですよね。
本当に静かな所です。
この日の宿泊客4名。
蝶ヶ岳ヒュッテは満室なのにこの差はなんなんだ?
この日は6人部屋に一人でした。
こんなご時世だから助かるけど。

雷雲
雷を警戒して早めに着きすぎましたが、ガスも出て見晴らしは期待できなかったし結果オーライだったみたいです。
午後は安曇野側で雷が鳴ってました。
下山後に聞いた話では槍沢ではスコールが凄かったそうな。
微妙な位置関係で降られずに済んだのね。

日の出
翌日は早起きして山頂へ。
7月の日の出は早い……
今日も快晴。

大滝山南峰山頂から蝶ヶ岳と槍穂
朝食後6時に出発。
大滝山の北峰って、南峰より近い徒歩1分。
しかも景色が良いw
まあ、先を急ぐよりその場を楽しむのが一番だから(負け惜しみ)
蝶ヶ岳の向こうに穂高岳、槍ヶ岳が見えるという構図。

前方後方
しかしここから蝶ヶ岳に至るルートは最高過ぎませんか?
前日の樹林帯が嘘のような空中散歩です。
前方に蝶ヶ岳から常念岳、大天井岳と連なる表銀座。
後方には徳本峠の向こうに霞沢岳と焼岳、奥には乗鞍岳と御嶽山。
横目に穂高岳から槍ヶ岳の峰を見ながらの歩きです。
大滝山侮り難し。

お花畑合流点
蝶ヶ岳には一回下って登り返しますが、急登ではないし200m程度。
このルートは往復でもアリかも。
鞍部では高山植物が咲いていました。
夏山の景色って感じ。
蝶ヶ岳へ通常使う三俣ルートと合流して一気に蝶ヶ岳へ。

蝶ヶ岳山頂蝶ヶ岳から
若干雲があるものの、見事な景色でした。
8時前に登頂です。
蝶ヶ岳は景色を見るための山だなぁ。
いつまでも見ていたい。
この日は横尾に降りるだけなので、実際かなりゆっくり堪能してました。

蝶ヶ岳蝶槍
蝶ヶ岳を移動して蝶槍へ。
昔はこっちが山頂だったそうです。
ヒュッテ近くの山頂よりは山頂っぽいからw
こちらでもがっつり景色を堪能してきました。

下山道横尾山荘
結局下山を始めたのは11時頃だったんですが、この日は雷の心配もないし、実にのんびりした歩きでした。
下山道自体は結構の急坂でしたが、一気に1000m近く降りますからこんなものですかね。
なかなか下りきらないから、横尾山荘が見えた時はやっと着いたー、って感じでした。
13時に着いてしまったので、もう1時間遅くても良かったかな。
もったいない。

4日目はバスターミナルに戻るだけの余裕の移動。
気楽です。

今回写真多めですが、それだけ充実した山でした。
4日間とも晴れだったのは凄い。
7月の登山はいつも雨混じりだったからなぁ。
今回連休が一週間遅いのも良かったのかもしれません。

今年はオリンピックの関係で休みがかなり変則的です。
例年にない日程で今年も北アルプスを堪能したいと思います。

今回の歩行マップ
歩行マップ