紅葉狩りの街道歩き

投稿者: | 2018年11月11日

前回『関東ふれあいのみち』で全く紅葉が楽しめなかったので今回は標高の高い所に行こうかと思い、体よく甲州街道歩きが佳境だったので行ってみることにしました。

笹子駅国道歩き
笹子駅から8時半に出発。
ぱっと見紅葉も期待出来そう。

黒野田宿里山風景
歩いてすぐに黒野田宿に到着。
笹子峠手前最後の宿場ですがこの区間めっちゃ近い。

交差点稲村神社
ここの鎮守社はもう少し先なのでそのまま直進。
比較的分かりやすい交差点を曲がって少し入ったところにある稲村神社へ。
手水所はしっかり水が出ているし比較的大きな神社でしたがやはり無人……残念。

旧国道へ短絡路
もはや渓流となった笹子川を渡って国道は大きくUターン。
ここで甲州街道は旧国道の方に向かいますが、微妙にずれててなんか田舎道を短絡します。
歩けるところは出来るだけ旧道が基本ですけど、たまにいいんかいなって所を歩かされて、それが新鮮でもあります。

分岐路旧街道
そのまま舗装道を行ければ楽なんですが意外と逸れる旧街道。
またすぐに山道へ。
意外とこんな奥まで大月からのバス路線が伸びてました。
新田行きとなってたけどこの辺りなのね。

山道舗装道
山道もそう長く続くわけでは無く再度舗装道路に上がってしばらくは楽な歩きが続きます。

古橋紅葉
しかし年季の入った道なので橋も少しくたびれてますね。
欄干を見たら昭和10年製でした。
昭和33年まで現役の国道だったらしいですが細い。
流通の主体が鉄道の時代だからこんなもんなんですかね。
車もほとんど通らず綺麗な紅葉も楽しめました。

旧街道入口旧街道2
坂を登っている途中で分岐していよいよ旧街道ルートへ。
とはいえ観光用にある程度整備されているみたいで歩きにくいことは無いです。
しかしこの道、地理院地図に無いんですよね。
あれ、どういう基準なんだろう。

矢立の杉矢立の杉2
9時45分に「矢立の杉」到着。
周囲に比べてやたらと太い杉の木がありましたが中は空洞らしい。
ここまではいわゆる観光自然歩道。

山道
急に道が悪くなり急な坂になります。
ちょっと落ち葉で道が分かりづらい部分もありましたが、基本的に尾根歩きなので迷うことはありませんでした。
歩けるだけマシですかね。

笹子トンネルへ笹子トンネル
旧国道と合流後、少し歩いて10時に笹子トンネルに到着。
トンネルの右側に峠越えの歩道が続いているのでそちらに入り込みます。
ここが結構急というか足下が砂礫状なのでちょっと登りにくかった。
このあたりの地質みたいです。

笹子峠笹子峠2
笹子峠自体はトンネルから目と鼻の先なので拍子抜けしました。
車で来たらめっちゃ楽かもw
ただし結構な急登なので、靴だけは登山靴推奨。

甲府方面お昼ご飯
景色があまり良くなかったので更に上の尾根まで登って珍しくおにぎり。
上からこれから下る方向が見えると「いよいよ甲州かぁ」などとしみじみ思ってみたり。
歩くと苦労した分そう感じるんですかね。

笹子峠下り笹子トンネル出口
さて反対側は意外となだらかで拍子抜けですが、街道の主旨から言ったら元はこういう道なんでしょうね。
トンネルの出口を横目に少し先まで行って道路は横断して再び山に入ります。

甲州街道甲州街道2
さらに旧国道のカーブに接してまた離れますが、このカーブからは案内も増えて一般的な街道歩きのコースのようです。
相変わらず落ち葉の季節は分かりづらいですが、こっちは道もはっきりしてるので安心して歩けます。
それでも十二分に山道なので安易な歩きは止めた方が無難ですかね。

甲州街道出口
そこそこ下って来ると旧国道に出てここからは舗装道歩きになりました。
本当は沢沿いに街道は続くのですが道が失われていてさすがに危ない。
今歩ける道を基本にしてるのでここは無理せず楽させて頂きました。

山並み駒飼宿
下って来ると視界が開けて駒飼宿に11時45分到着。
青空の気持ちよさと峠を抜けて宿場に着いた感覚の気持ちよさに江戸の旅人気分w
この区間長いから「やっと着いたー」って感じ。

諏訪神社
甲州街道から分岐して少し歩く&下りますがここの鎮守社諏訪神社にお参り。

甲州街道3甲州街道4
再び戻っていい感じに甲州街道を下っていきます。
こういう雰囲気結構好き。

合流点
そして現代の甲州街道に12時過ぎに合流です。
いやぁ、最大の難所を越えましたよ?

立合橋鶴瀬宿
今回の終着点は鶴瀬宿としたのでもう少し歩きます。
微妙にずれた旧道の橋を渡ると鶴瀬宿に着きました。
交差点から5分ほどなんですけどねw

石灯籠
さて今回困ったのがこの鶴瀬の鎮守社が事前に分からなかったこと。
多分近代以降は甲斐大和駅近くの諏訪神社なんでしょうけど江戸の昔は違う村だしねぇ。
現地の宿場街の案内には天神様が出ていてそこかな?と思いそちらも一応お参りしてきましたが、ふと石灯籠を見上げたら……
秋葉大権現の文字が。
そんなんあったか?
いや、1件だけ心当たりはありますが……まさかね。

たまたま近くを通った地元の人に石灯籠の由来と秋葉様の在処を伺ってみると、この石灯籠は駒飼宿から鶴瀬宿の方向が分かるように灯してたとのこと。
谷間の宿らしいエピソード、はともかく「やっぱりあそこか……」
事前の調べでも気が付いてたけど遠いしまさかねとは思ったんですが……ということで最後の最後に200mほど山登りです。
しかもガチ山です。

勝手踏切水路
入口に行くには線路を横断する必要があり、一応地元の人向けっぽくフェンスの切れ目で渡れるようにはなってるのですがやはり気が引ける。
仕方ないので枯れた用水路を使ってくぐり抜けました(律儀だね
最近の電車は静かだからトンネル内を走ってても音が聞こえないし見えないし(マジで

最初登り口が分からず尾根まで送電線の点検巡視路を使って上ったんですが、帰りに正規の参拝路が分かったのでそちらを紹介。
水路をくぐるとコンクリートの山肌に沿って戻ってくる必要がありますが安全性を考えたらそっちの方がいいかもね。
もしくはトンネルの入口まで行って縦に巻くか。
後で見たら近くに送電線巡視路と同じ階段が作られてました。

参道入口鳥居
線路を渡ると石階段があって最初の鳥居がありますがその先は未整備の完全な山道(急登)です。

尾根筋
幸い神社の位置は分かってるので後は地形を見ながらGPSで自分を見失わないように尾根の上をひたすら登ると。
最後の取り付きは崩れてて岩登り以上に気を遣いました。

秋葉様?
多分これが秋葉様ですかね、良く分かりませんが。
既にご神体は無くなってます。

本社前鳥居石尊宮
さらに上に登るとこちらが石尊宮だそうで。
鳥居も倒木に遮られてえらいことになってます。
秋葉様とは本来別物なのでどういう位置づけだったのか分かりませんが村の鎮守ということで……こっちもご神体はもう無いっぽいけど結構綺麗ないわれの案内があったので意外と現役なのかも。
線路のせいで人の往来と文化の断絶とを感じます。
いずれにしても来るだけで一苦労な場所だわ。

この後甲斐大和駅まで歩いて帰ってきたのですが、長くなったのでそちらの話は次回も歩くのでその時に紹介しようかと。
街道歩きがまさかの山登り。
疲れたw

今回の歩行マップ
歩行マップ